自身のスーツ姿を鏡で確認する際、正面姿にばかり目がいき、背面は忘れがちです。いくら正面姿が美しく決まっていても後ろ姿がだらしなければ、相手にマイナスの印象を与えてしまいます。
他人からは正面姿と同じくらい後ろ姿も見られていることを意識しなければなりません。
スーツをお洒落かつスタイリッシュに着こなしたい場合、正面から見た姿はもちろんのこと、後ろ姿についても配慮しましょう。本記事ではスーツの後ろ姿の印象を左右する要素、スーツの切れ込みである「ベント」について特徴や種類を解説します。
目次
ベントとは
「ベント」とはスーツの上着の背中の裾にある割れ目の総称です。ベントは英語表記では(Vent)日本語訳をすると「通気孔」という意味です。元々スーツにはベントがついておらず運動性はあまり高くありませんでした。次第にスーツにも運動性が求められるようになり、ベント、スーツに割れ目が入るようになりました。
ベントはスーツ着用時に体を動きやすくしただけでなく、スーツを着やすくしたり、脱ぎやすくしてくれるなど、着用時の利便性が向上しました。また、椅子に座ったときにシワができなかったり、スーツの形状維持としての役割を担っています。
ベントは「センターベント」「サイドベンツ」「ノーベント」3つの種類があります。
ベントの種類と特徴について
センターベントの特徴について
センターベントは背中の中央に切れ込みが1本入っており、ビジネスシーンで最も見かけるスーツの定番仕様となっており、どの年齢層が着用しても似合いやすいことが特徴です。販売されているスーツの多くにセンターベントが入っています。細見のスーツと相性がよく、軽やかでスマートな印象を与えます。
センターベントはスタンダードなスーツでありながらシルエットの美しさを保ち、後ろ姿の印象も良いスーツ。機能性も優れており、動きやすく着心地の良いスーツです。センターベントは種類が豊富なので、自分の体格や使用シーンに合わせたスーツ選びが可能となります。
サイドベンツの特徴について
サイドベンツは背中の左右に切れ込みが1本ずつ入っており、切れ込みが計2本なので「ベント」ではなく複数形の「ベンツ」、「ダブルベンツ」とも呼ばれます。「剣吊り」とも呼ばれ、元々は剣を抜くときに邪魔にならないように考えられたデザインです。
サイドベンツはセンターベント以上に動きやすさを追求した作りになっています。サイドに切れ込みがあることで体の動きに合わせてヒップ部分、両脚のサイド部分が露出し、足長効果が期待できます。スタイルをよく見せたいときに、サイドベンツのスーツを選ぶと良いでしょう。活動的なイメージを演出しつつ、エレガントでゆったりとした印象を与えることもできます。
ノーベントの特徴について
スーツにはベントが入っていないものもあります。ベントが入っていないことから、ノーベントと呼ばれます。ノーベントはタキシードやフォーマルなスーツなど、冠婚葬祭に着る礼服が主流です。ノーベントはビジネスの場ではあまり着用されないので注意しましょう。
ベントの選び方
「センターベント」「サイドベンツ」「ノーベント」3つの種類と特徴について解説しました。ベントの選び方ですが、ビジネスシーンでは、「センターベント」と「サイドベンツ」の2択になります。
それぞれの特徴を解説したように、この2つはフォーマルの場に適しているのと、着用する世代も問いません。
全体的に細身なシルエット、かつ軽やかでスマートな印象を求めるなら「センターベント」。足長効果でスタイルをよく見せたい場合は「サイドベンツ」がおすすめです。
スーツの選び方次第で相手に与える印象を変えることができます!!
TPOに合わせてベントを使い分け、正しくスーツを着こなしましょう。
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